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「ゲーム翻訳 」カテゴリ記事一覧

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ゲーム翻訳 24 ~人名をどう処理するか~

つい先日、当ブログをご覧いただいた方からメールでご質問をいただきました。それは、英日翻訳の際に人名をどう訳しますか?というもの。例えば「Trevor Philips」や「Franklin Clinton」といった人名を日本語版でどう表記すべきか、という問題ですね。今まで取り立てて意識することはありませんでしたが、これを機に、管理人が洋ゲーを翻訳する時に人名をどう処理しているか軽く振り返ってみました。




●原則は「そのままカタカナ表記」
正直申し上げますと、管理人は人名の扱い方についてこれといったこだわりはありません。基本的には何も考えず「そのままカタカナ表記」です。「Trevor Philips」であれば「トレバー・フィリップス」ですし、「Franklin Clinton」であれば「フランクリン・クリントン」。「Altaïr ibn La-Ahad」だったら「アルタイル・イブン・ラ・アハド」です。


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洋ゲーマーのなかには、人名をはじめ固有名詞はアルファベットのまま残してほしい、と考える人もいるようです。多くは雰囲気や世界観を考慮してのことでしょう。が、あくまで個人的な好みでいうと、人名がアルファベット表記になっていると若干読みづらさを覚えます。管理人のような、英語のネイティブでも帰国子女でもない純日本人にとっては、「Franklin」よりも「フランクリン」の方がパッと見で認識しやすく、記憶に残りやすいのは間違いないでしょう。

しかし、です。よくよく自分の仕事を振り返ってみると、いくつか例外となるケースが存在することが分かりました。自分のなかではどのような条件下でこの「そのままカタカナ表記」の原則が破られるのか。いくつか考えてみました。




●スポーツゲームの選手名
スクリ~1

主に実在のスポーツ選手が登場するゲームのことです。作品によってはウン千人もの選手を抱えているうえ、たとえアルファベットであっても英語圏以外の国の人名は読み方が不明なものも少なくありません。全員の正しい表記を調べるのはとても現実的ではないため、無難にアルファベットのまま残すケースが多いです。

ただし、『モバサカ』のように国内開発のスポーツゲームでは選手名がすべてカタカナで表記されていることもあります。そのため正しいカタカナ表記を確認する術もないわけではないようです。その労力を費やすか否かは、開発スケジュールや予算との相談になってくるでしょう。

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●海外ユーザーとのコミュニケーションを促進する場合
近年、スマホゲームが台頭してきたこともあり、どんなゲームでもオンラインに接続し、大小の違いはあれどユーザー間でコミュニケーションを取れる作品が多くなっています。サーバーにIPブロックをかけず、どの国からでも接続できるゲームを翻訳する場合、海外ユーザーとのやり取りを考慮してキャラクター名を英語のまま残すことがあるかもしれません。


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例えばですが、『World of Warcraft』を海外のフレンドと遊んでおり、「Altairusを倒しにいこうぜ!」と誘いたいとします。この「Altairus」が日本語設定で「アルタイラス」と表記されていたら、外国人のユーザーを誘うのに少々手間がかかります。相手の言語で「アルタイラス」がどう表記されているのか不明であるため、英語版のWikiなどで調べる必要があるからです。「Arutailus」? それとも「Altailas」? しかし全言語において、アルファベットの「Altairus」で統一されていれば、少なくともその部分におけるコミュニケーションの障壁は取り除かれるわけです。

一方、IP制限で日本以外からの接続をハジいている場合や、日本サーバーは日本語のみに対応しているといった場合(つまり、そのサーバーで日本人プレイヤー以外が想定されていない場合)は、海外ユーザーとのやり取りに配慮する必要性はありません。すべての固有名詞を日本語化してしまって問題はないでしょう。



●直訳すると表示領域を超えてしまう場合
これは英日ローカライズではほぼ起こりませんが、日本語から他言語への翻訳では直面する可能性がゼロではない問題です。人名を直訳すると表示領域に収まり切らなくなる場合、人名を短縮せざるを得ません

古い作品ですが、スーパーファミコンの『ブレス オブ ファイアII 使命の子』を例に挙げると分かりやすいでしょう。このゲームでは犬族の「ボッシュ」という仲間がいます。「ボッシュ」をそのまま英語にすると「Bosch」でしょうが、本作ではプレイヤーキャラクター名の表示領域として確保されているのは4文字までです。「Bosch」ではギリギリ4文字を超過してしまうため、英語版ではやや苦肉の策として「Bow」という名前に変更されました。弓矢を得意としているので「弓」を意味する「Bow」、というわけですね。

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●直訳すると語感がダサい場合
これはですねぇ……。英語をはじめ欧米言語からの翻訳ではあまり起こりませんが、それ以外、とりわけアジア圏の言語から翻訳する場合は意外とある問題です。

タイトル名は伏せますが、重要なキャラクターの名前がどう考えてもその人物像とかみ合っていないことが過去にありました。重厚な鎧に身を包んだ戦士の名前が「プリン」、みたいな、そんなカンジです……。

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これはさすがに元の開発者に許可を取り、日本語版独自にそれらしい人名を創作させていただきました。めったにないケースではありますけどね。




と、まあ、管理人が人名において「そのままカタカナ表記」を避けるケースは主にこんなところです。上記のような要素を鑑みて、日本人プレイヤーの利便性を損なわない表記ができるといいですね。

ではでは。
 
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ゲーム翻訳 23 ~修正時エンバグに注意~

no-bugs.png


こんにちは。管理人です。

海外ゲームを日本語にローカライズする場合、当然ながらゲーム内のテキストを和訳して差し替える必要があります。その際、日本語テキストを一度実装して翻訳完了!というわけにはなかなかいかず、テキスト実装後も膨大な量の修正作業を要するのが実状です。テキストを実際のゲーム内で確認して初めて発覚する問題点が多数存在するからです。

翻訳の修正作業は、翻訳会社に追加コストを支払いアフターサービス的に行ってもらう場合もあります。また、販売会社のローカライズ部門のみで吸収する場合もあります。そのあたりはタイトル・バイ・タイトルであり、主に開発予算、スケジュールとの相談になってきます。

そしてこの修正フェーズでは、翻訳に手直しを入れる際に「エンバグ」の危険性を念頭に置くことが重要です。「エンバグ」(enbug)というのは、平たく説明すると、あるバグを修正することにより別の場所で新規バグを引き起こすこと、を指します。ローカライズのみならずソフトウェア開発全般で用いられる用語です。例えば、マリオがクリボーに接触しやすくするため土管の配置を調整したら、今度はジャンプで土管を飛び越えられなくなってしまった(進行不能になってしまった)、みたいなものといえば想像しやすいでしょうか。

では実際、翻訳修正の際にどのようなエンバグのリスクが生じるのか。メジャーなものを3つピックアップしたいと思います。






■用語の不統一
ある文字列を修正することで、他の類似文字列との統一性が失われてしまう不具合です。管理人の経験上、最も頻繁に起こるエンバグでもあります。例えば次のように、アイテム名の「Bow」を最初「弓」と訳していたとしましょう。


Hunter's Bow: 狩人の弓
Cheiron's Bow: ケイロンの弓
Angel's Bow: 天使の弓
Archangel's Bow: 大天使の弓
Seraph's bow: セラフィムの弓
Odin's Bow: オーディンの弓




テキスト実装後にゲーム内で「狩人の弓」を入手した翻訳者が、実際は弓だけでなく弓と矢のセットになっていることに気づき、「狩人の弓」を「狩人の弓矢」に変更するとします。その際、他の5つの Bow も「弓矢」に修正しなければ用語の統一性が失われてしまいます。


狩人の弓矢 ←ひとつだけ「弓矢」と訳されている
ケイロンの
天使の
大天使の
セラフィムの
オーディンの




これは往々にしてテキストの美しさの問題だけであり、大きなトラブルに発展する可能性は極めて低いです。が、例えばこれらがソーシャルゲームの課金アイテム(ユーザーが現実のお金を支払って得るアイテム)であった場合、クレームを招く恐れも十分にあります。このような事態に陥らぬよう、ある文字列を修正する際、別の文字列で同一の単語(この場合は Bow)が使われていないかを常に確認することが肝要です。





■表示領域を超過してしまう
訳文を修正したことで文字数が増加し、文字数や行数の制限を超えてしまうエンバグです。


●文字数制限を超過するケース
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●行数制限を超過するケース
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テキストのはみ出しや見切れはユーザーが一目で視認することができ大変恥ずかしいバグであるため、訳文修正時には文字数制限/行数制限を超過しないよう注意しなければなりません。





■共有テキスト関連の不具合
共有テキストとは、ゲーム内の複数の箇所で使い回されるテキスト、を指します。管理人が便宜上そう呼んでいるだけであり、正式な呼称は不明です。例えば次の2箇所の「ぼうぎょ」が共有テキストであると仮定します。

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ステータス画面だけを見ると、「ぼうぎょ」を「ぼうぎょりょく」に変更したくなるかもしれません。しかしこれが共有テキストである場合、戦闘画面の「ぼうぎょ」も併せて「ぼうぎょりょく」に変更されてしまうため、極めて不自然なコマンド名が出来上がります。それならば、いずれも「ぼうぎょ」のままでいく方が無難です。もちろん、文字列のアサインIDを分けることで双方に異なる訳文を割り当てることも可能ですが、開発側で追加作業が発生するため、そのような依頼はどうしてもという場合に限定するのが良いでしょう(ハードメーカーの作成基準に準拠するため、など)。

共有テキストに加筆修正を加える場合、そのテキストが使用されるすべての箇所において自然な日本語になっているか、文字数制限を超過していないか、を確認する必要があります。




■まとめ
これらのエンバグはいずれも、局所的な視点、場当たり的な視点でテキストを修正するために発生する問題です。テキストのみならずゲームデータ全般にいえることですが、何かデータを変更する際は、その他の場所に影響を及ぼさないか否かを常に確認することが不可欠です。

テキストに限っていえば、文字列の「検索」が役立ちます。ある文字列に改変を加える時、他に似たような文字列がないかどうか、や、同じ名詞が使われている文字列がないかどうか、をファイル内検索で逐一確認することでエンバグを未然に防げる可能性が上昇します。もちろん、予期せぬ場所で文字列が共有されていたりなど、ほぼ不可避のエンバグも存在します。ただ管理人の経験則では、きちんと検索を行うことでこうした問題の6~7割方は防止できるでしょう。

ではでは。
 
 
 

ゲーム翻訳 22 ~ローカライズで起こるテキストバグ~

こんにちは。

テレビゲームを海外から日本(もしくは日本から海外)にローカライズする際、ローカライズに起因するバグが発生することがあります。中でもとりわけ頻発するのが、テキストに関連するバグ、いわゆる「テキストバグ」です。

「テキストバグ」と聞いて皆さんが真っ先に思い浮かべるのは、恐らく「誤訳」ではないでしょうか? 確かに、誤訳もローカライズにありがちな不具合ではありますが、実際は、誤訳以外にもさまざまな種類のテキストバグが存在し、開発者・パブリッシャー・翻訳者ともに、そういった問題を回避するために注意を払っているのです。

今回は、そんな、ローカライズでよく遭遇するテキストバグを、いくつかの種類に分けて紹介したいと思います。


■ローカライズで起こるテキストバグ

①未翻訳
発生頻度:★★☆☆☆
深刻度: ★★★☆☆

特定の文字列が空白になっていたり、「仮テキスト」に相当する文字(「Placeholder」、「Dummy」など)が表示されていたりする不具合です。ユーザー環境で発生すると見苦しい上、重要なテキストが未翻訳のままだとゲーム進行に影響を及ぼす可能性もあります。原文の更新が翻訳者に伝わっていなかったりなど、いわゆる「報連相」の欠如が主な原因となります。が、気付きやすい不具合であるため、発生頻度としては低めです。


②他言語が表示される
発生頻度:★☆☆☆☆
深刻度: ★★★☆☆

日本語版なのにフランス語が表示されるなど、対象言語以外の文字が表示されるテキストバグです。フランス語が読めるユーザーにとっては問題ないかもしれませんが・・・(笑)。

翻訳の際に、誤って別言語をコピー&ペーストしてしまったり、テキストをゲームに実装する際に何らかの不具合が原因で発生してしまうことがあります。ただし英語に関しては、多言語版のゲームであっても意図的に英語を使う場合があるので、必ずしもバグであるとは限りません。


③未対応の文字を使用
発生頻度:★★★☆☆
深刻度: ★☆☆☆☆

その言語のフォントが対応していない文字をテキストに含めてしまう不具合です。例えば、日本語以外の言語フォントでは、2バイトの記号(「?」や「…」など)に対応していないことが多いので、それらの記号を他言語に使用しようとすると、文字化けを起こしたり実機で表示されなかったりします。

海外→日本のローカライズではあまり発生しませんが、日本→海外の場合は割と頻繁に起こり得るミスです。が、特定の記号が表示されなくても、ユーザーにとって大きな問題となることはまずないので、深刻度は星1つとしました。


④誤訳
発生頻度:★★★★☆
深刻度: ★★☆☆☆

ローカライズの不具合、と聞いて、多くのユーザーが真っ先に思い浮かべるバグでしょう。細かい誤訳は見落とされがちですが、ステージのクリア条件など、ゲーム進行に影響を及ぼすような誤訳の場合は、デバッグ中に発見・修正されることが多いので、深刻な誤訳が放置されたままゲームが出荷されることは少ないです。他社の製品を悪く言いたくはありませんが、「殺せ、ロシア人だ」がなぜテスト中に発見されなかったのか、管理人は不思議でならないです・・・。


⑤テキストの不統一
発生頻度:★★★★★
深刻度: ★★☆☆☆

ローカライズの場合、複数のスタッフが同時に翻訳作業を進めるので、作業者間で、テキストの表記方法や訳し方が統一されていないことが多いです。管理人の経験上、ローカライズのテキストバグとしては、最も発生頻度が高い部類です。例えば以下のようなケースがあります。

・訳語の不統一(U.S. Government を「米国政府」と訳したり「アメリカ政府」と訳したりなど)
・書式ルールの不統一(「!?」と「?!」など)
・大文字・小文字の不統一(Dragon Ball と Dragon ball など)

大きな問題に発展することはまずありませんが、唯一、訳語の不統一に関しては、ユーザーの混乱を招く危険性をはらんでいるので要注意です。


⑥見切れ・はみ出し
発生頻度:★☆☆☆☆
深刻度: ★★★★★

表示エリアにテキストが収まっておらず、文字が途中で見切れてしまったりウィンドウからはみ出したりしてしまう不具合です。ゲーム進行に影響はなくとも、見栄えが極めて悪いので、深刻度は星5つとしました。見た目に明らかな不具合であるため、ほとんどはデバッグ中に発見・修正されるでしょう。



とりあえずはこんなところでしょうか。

ユーザーに深刻なデメリットを与えるバグはもちろん、見た目に恥ずかしいテキストバグも極力回避することを心がけるべきですね。

次回は、これらの問題を防止するために開発元・パブリッシャー・翻訳者がどんな対策を取れるかについて、簡単にまとめるつもりです!

ではでは。

 

外部サイトの紹介 「Legends of Localization」

こんにちは! 管理人の羽無エラーです。

管理人は、自分でブログを運営するのみならず、国内外の他の翻訳者さんのブログやホームページ、コラムなどを拝見させていただくことがあります。同業者の方々のいろんな意見や情報などを取り入れることで、それを自身の仕事に活かしたり、ブログを書くうえで役立てたりすることができるからです。

その中で、管理人が頻繁に読んでいるお気に入りのサイトというのも存在します。その1つに、日英翻訳者のClyde Mandelin氏が運営する「Legends of Localization」というサイトがあります。

Mandelin氏は『MOTHER3』のファン翻訳を手掛けたことでも有名な方で、『MOTHER』シリーズやその他の和ゲーのローカライズに関するさまざまな考察を、上記サイトにて行っていらっしゃいます。日本版と英語版の違いや、ユーザーが抱く疑問に対する答えなど、いちローカライザーとしてもいちゲーマーとしても非常に興味深い内容が盛りだくさんです。

実は、「Legends of Localization」の最新記事にて、この「ゲーム翻訳者のブログ」を「日本人翻訳者が運営する同コンセプトのサイト」としてご紹介いただき、海外のゲーマーや翻訳者の方々に当ブログをご訪問いただくことができました。そのお返しといっては何ですが、「Legends of Localization」の中で管理人がオススメする記事を、ここでいくつか勝手に取り上げさせていただきたいと思います!


▼その1
「Q&A: Was Samus Called a He in Japanese Too?」
英語版『メトロイド』の説明書にて、主人公「サムス」を指す二人称が「He」になっていたが、これは日本語版でも同様なのか?という内容。気になる答えは上記ページにてお確かめあれ!

▼その2
「There’s a Localization Gem in this Generic Pokémon Clone」
『モンスター☆レーサー』に登場する「ブッシュ」というキャラクターの名前が、英語版では非常に粋な訳し方をされていた、という内容。管理人も思わず唸ってしまいました。

▼その3
「Is Watt from Paper Mario a Boy or Girl?」
『マリオストーリー』の「アカリン」は男なのか女なのか?という疑問に対する答え。英語版の名前「Watt」にネーミングセンスを感じました♪

▼その4
「Is Breath of Fire’s Massage Scene Really a Massage Scene?」
英語版『ブレス オブ ファイア』で、女性キャラクターに「肩を揉んでくれ」と頼んでくるオッチャンがいたが、日本版でも要求内容は同じだったのか? 結末はとても意外なものでした・・・。

▼その5
「A Very Quick Look at Japanese Shadowgate」
名作テキストアドベンチャー『シャドウゲイト』が、日本版ではなぜギャグゲーとして認識されているのか?について考察した記事。管理人も、子供のころは単なるお笑いゲームだと思っていました(笑)。

▼その6
「Silly Chun-Li! You Can’t be a Man!」
英語版『ストリートファイターII』にて、ガイルが女性キャラクターに対しても「Man」と呼んでいることに関する記事。ゲーム翻訳の難しさが分かる記事でもあります。チュンリーは、現在「45歳」という驚愕の事実も・・・。

▼その7
「Fan Translation: Does it Help or Hurt Getting Professional Work?」
ファン翻訳に携わることが自身のキャリアにどのような影響を与えるか?というお話。Mandelin氏の実体験を交えて熱く語ってくださっています。


とりあえずは以上です。

いかがでしょう。皆さんが気に入るような記事はありましたでしょうか? 上記以外にも面白い記事が多数ありますので、ゲームの翻訳やローカライズについて知見を広げたいという方は、ぜひ「Legends of Localization」を熟読されることをオススメします!

ではでは。
 

ゲーム翻訳 20 ~翻訳に必要な資料~

こんにちは、管理人の羽無エラーです。

ご存知のとおり、管理人は洋ゲーのローカライズを生業としているわけですが、ローカライズの際に、ゲームテキストの翻訳を自らの手で行う場合もあれば、外部の翻訳会社さんに依頼させていただく場合もあります。英語で数万ワード程度であればチーム内のリソースのみで消化可能なのですが、例えば10万ワードを超えるような分量になってくると、短期間でさばくのは不可能に近く、どうしても外注会社さんに頼らざるを得ません(ローカライズ部門内に翻訳専任のチームでもあれば話は別ですが)。

しかし、翻訳会社さんに依頼をする場合であっても、当然、テキストファイルのみを渡して丸投げ、というわけにはいきません。①翻訳に必要な資料をまとめたり、②固有名詞の訳語を決めたり、③開発元との質疑応答を取りまとめたりなど、ローカライズチーム内で発生する翻訳関連の業務は、実は意外と多かったりするのです。

そして、そういったディレクションをうまくこなしていけるかが、ローカライズチームの腕の見せ所でもあります。特に、上記①などは極めて重要で、翻訳開始前に適切な資料出しができるか否かで最終的な翻訳のクオリティーが決まってくると言っても過言ではないと思っています。

手前味噌な話で大変恐縮ですが、管理人が所属するローカライズチームでは、資料作成を綿密に行うことをポリシーとしているため、翻訳会社さんから感謝のお言葉をいただくこともしばしばあります。当然、その甲斐あって、翻訳会社さんから上がってくる訳文のクオリティーも毎回非常に高いものになっています。

では、翻訳を外注に出す際、テキストファイル以外にどのような資料を提出する必要があるか?ということですが、管理人としては、最低でも以下のような資料が必要だと考えています。


●ゲーム概要資料
●ストーリー資料
●キャラクター資料
●グロッサリー



一番上の「ゲーム概要資料」ですが、これはゲームのシステム、操作方法、フックとなる要素など、そのゲームの概要を伝えるための資料です。こちらに関しては、大抵、社内の幹部やファーストパーティーへのプレゼンで必然的に作成することになると思いますので、それの体裁を整えるなどして翻訳会社さんに提出すれば良いと思います。

他の3つについては、少々具体例が必要かもしれません。最近、Steamの「早期アクセス」で『Dungeon Dashers』という面白そうなタイトルを購入しましたので、同タイトルのローカライズを想定して説明してみようかと思います。

(注)
ここからの資料内容は、あくまで例です。管理人は『Dungeon Dashers』をまだ序盤の30分ほどしか遊んでいないため、資料の内容には不適切な部分や誤りが含まれている可能性が大いにあります。今後、『Dungeon Dashers』のローカライズを検討するパブリッシャーさんが出てくるかもしれませんが、資料の内容を真に受けないことをオススメします(笑)。


●ストーリー資料
読んで字の如くですが、そのゲームのストーリーを詳しく把握できるような資料です。

(例)

オブシディアン山脈に囲まれた「サンクチュアリ王国」では、住民たちは平凡ながらも平和な暮らしを営んでいた。山脈には「ルビコンの道」と呼ばれる洞窟がかねてより存在し、その洞窟を抜けた者は莫大な富を手にする、との言い伝えもある。が、安定した生活を捨ててルビコンの道へと挑む者は少なく、また、洞窟に足を踏み入れた後、王国に生還した者は、これまで一人たりとも存在しない。

ある日、王国の住人のうち4人の目の前に、青く輝く神秘の紋章が現れた。その紋章によって、彼らは内なる冒険心をかき立てられ、無意識のうちに、ルビコンの道へと各々迷い込んでいくのであった。

洞窟の中で出会いを果たす4人の冒険者たち。何者かの力により謎の場所へとワープさせられ、王国へ引き返すことができなくなった彼らは、互いの能力で助け合いながら奥深くへと進んでいく。


実際はこんな、冒頭のみを記述しただけではNGです(笑)。できるだけ詳細に、かつエンディングまでの流れを全て網羅した内容を翻訳会社さんに伝える必要があります。例えば、物語後半への伏線となってくるような台詞があった場合、それが伏線だと知っているかどうかで訳し方が全く異なってくるでしょう。また、翻訳者がストーリーの全貌を把握していれば、テキストファイル内で文字列を見ただけでも、その文字列がどんな文脈で使用されるのか想像しやすくなります。ストーリー分岐があるゲームの場合、分岐の仕方をチャートで示してあげるのも手です。


●キャラクター資料
各キャラクターの背景、性格、口調といった、各々の台詞を訳すうえで必要となってくる情報をまとめた資料です。ある意味で、この資料が最も重要かもしれません。『Dungeon Dashers』であれば、管理人は以下のように資料を作ると思います。

Ryder.png
名前:ライダー
性別:男
年齢:18~20
クラス:シーフ
一人称:僕
二人称:あなた、君
概要:
黒魔法を操ることができるが、まだ未熟で世間知らずな若きシーフ。かつて、彼の一家はとある権力者に仕えていたが、冷酷かつ貪欲な主君であったため、満足な報酬は与えられず、家族は貧しい暮らしを強いられていた。ライダーの黒魔法は、現在行方不明の父から習ったものであり、その黒魔法を活用して盗みを働き、これまで何とか生きながらえてきた。後ろめたい人生を送ってきたことから、他者に心を開くことは少なく、弱気で悲観的な言動を取ることもある。

セリフ例:
「ここはどこだ? 僕はどうして・・・?」
(ジェイコブに)「ぼ、僕のいきさつなどどうでもいいでしょう。あなたこそ、どうしてこんな場所に?」
(他の3人に)「体が冷えてきた。おしゃべりなどやめて動きませんか?」

SirJacob.png
名前:ジェイコブ将軍
性別:男
年齢:45~50
クラス:戦士
一人称:私
二人称:お前、貴様
概要:
王国の顧問と衛兵たちを束ねる老練の剣士。卓越した剣術に対する絶大の自信や、その地位の高さから、常に勝気な態度を取っており、また、他者を見下す物言いをすることもある。4人の中では最もリーダー的な存在

セリフ例:
「我が名はジェイコブ。誇り高きロイヤルガードの一員である!」
「ははは! この私が、こんなこわっぱどもにやられるとでも思ったか!」
(ライダーに)「人違いか。貴様のようなヒヨッコが魔術師であるわけがあるまい」
(アルドンに)「貴様、何者だ? 素性を明かせ」

Ardon.png
名前:アルドン
性別:男
年齢:65~70
クラス:魔法使い
一人称:わし
二人称:そなた、お前

概要:
王国の住民と交流することなく暮らしてきた魔術師。魔法に関して幅広い知識を持っているが、それが原因で教養のない一般人を蔑み、他者に対して無礼な態度で接することもしばしば。

セリフ例:
「さよう。無学な市民どもとかかわりたくないものでな」
(ジェイコブに)「そなたのような愚か者に名乗る名前などないわい」

January.png
名前:ジャニュアリー
性別:女
年齢:18~20
クラス:狩人
一人称:私
二人称:あなた

概要:
知性と分別のあるエルフ。友好的で素直な性格だが、冒険心旺盛であるため、平凡な暮らしに満足する町の一般人を退屈だと思っている。弓矢の鍛錬に多大な時間を割いてきたこともあり、これから始まる冒険に胸を躍らせている

セリフ例:
(アルドンに)「あら、おじいさん。元気かしら。まだあの掘っ立て小屋に住んでいるの?」
(ジェイコブに)「やめなさい。この人はアルドン。悪い魔術師ではないわ」
(ライダーに)「こんなきれいな森に来たんだから。楽しまなきゃ損よ」


台詞の訳し方に影響を与えそうな部分は赤文字にしました。上記のとおり、そのキャラクターの性格のみならず具体的な訳例を記載した方が、翻訳会社さんにイメージが伝わりやすくなると思います。台詞を持つ全てのキャラクターに関してこのような情報を出しておくと、現場での翻訳作業がスムーズに進むことでしょう。


●グロッサリー
何となく横文字にしましたが、要するに「用語集」です。個々の訳語をパブリッシャーが決めるか翻訳会社が決めるかは方針によるところなので、場合によっては、パブリッシャー側でグロッサリーを作成する必要はないかもしれません。正直なところ、管理人は絶望的なほど固有名詞のセンスがないので・・・、一部空欄にしておいて翻訳会社さんに訳語をご考案いただくこともあります。ズルいでしょ(笑)。

(例)
英語日本語備考
Realm of Sanctuaryサンクチュアリ王国地名
Obsidian Blockadeオブシディアン山脈地名
Passage of Rubiconルビコンの道地名
Tactical Modeタクティカルモードシステム
Ryderライダー人名
Sir Jacobジェイコブ将軍人名
Ardonアルドン人名
Januaryジャニュアリー人名


●資料の質=翻訳の質
いかがでしょう。上記に挙げたのはあくまで最低限の内容であり、実際は他にも必要な資料は多数存在すると思います。ボリュームの薄めなインディーズゲームならいざしらず、現在の重厚長大な洋ゲーのローカライズでは、翻訳会社さんに出す資料をまとめるのに、どんなに少なく見積もっても1週間はかかるのではないでしょうか。というか、それぐらいは時間をかけなければならないと思います。

翻訳を依頼する側(クライアント側)にとっては大変な手間かもしれませんが、ゲーム翻訳のクオリティーというのは、現場の翻訳者だけで上げるのには限界があります。翻訳の質を決定づける要素としては、翻訳者個人のスキルよりも、むしろパブリッシャーのディレクションのスキルの方が重要性が高いような気もします。

他にも、こんな資料があると翻訳に役立つよ、といったものがあればぜひ教えてください。

ではでは。
 
 

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