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Your day has come, Jaquio! 【おのれ邪鬼王!】

日本では、ゲームバラエティー番組『ゲームセンターCX』(洋題:“Retro Game Master”)がきっかけで一躍有名となったフレーズ。“Your day has come”は、「ついにやったな!」といった具合にポジティブなニュアンスで使用されることも多いが、この場合は少々異なり、「お前を倒す日が来た」といったところか。「邪鬼王」は英語でもそのまま“Jaquio”らしい。

jaquio_J jaquio_E



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Go home and be a family man! 【国へ帰るんだな。お前にも家族がいるだろう....】

『ストリートファイターII』に登場するガイルの勝利台詞。family man は所帯持ちの男性や家庭生活を大事にする男性を指す。直訳するなら、「国に帰って家族孝行してやれ」といったところか。

FamilyMan_J FamilyMan_E



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ゲーム翻訳 8 ~改行を入れる~

<ゲーム翻訳の改行はタイヘン>


普通どんなゲームでも、インゲームテキストは読み見やすい位置で改行されているものです。ローカライズタイトルの場合、この改行作業は翻訳者に任されることもあります。 これは、テキストファイルの日本語テキストに改行コードを挿入することで、実際のインゲームテキストに改行を入れられる場合があるからです。また、改行作業は下訳の段階で行われる場合もあれば、リライトの段階で初めて行われる場合もあります。


・改行コードについて

改行コードとは、簡単に説明すると「この場所に改行を入れますよ」と定義する記号のことです。ゲーム翻訳では、改行コードを使ってテキストに改行を入れることがほとんどです。エクセルファイルの中で日本語テキストに手動で(「Alt + Enter」で)改行を入れても、その改行が実際にゲーム内で反映されることはほとんどありません。それどころかエラーを起こしてしまう可能性すらあるので、テキストに改行を入れる方法に関しては事前にローカライザーや開発元に確認しておくといいでしょう。

例えば、そのゲームの改行コードが/nだった場合、
「1晩15ドルだよ。泊まっていくかい?」というセリフの中間に改行を入れたいと思ったら、

「1晩15ドルだよ。
泊まっていくかい?」と、テキストファイル内で改行を入れるのではなく、

「1晩15ドルだよ。/n泊まっていくかい?」と、改行を入れたい位置に改行コードを挿入するのです。
すると、実際のゲーム画面では、このセリフは、

「1晩15ドルだよ。
 泊まっていくかい?」

と、改行が入った状態で表示されます。

多くの場合、改行コードは/nですが、別の記号が使われる場合もあるので、開発元に確認してみるといいと思います。ちなみに改行はローカライザーの方で入れる場合もありますので、必ずしも翻訳者に改行作業が発生するとは限りません。


・全てのテキストをゲーム画面で確認する

他の翻訳分野とは違い、ゲーム翻訳の改行作業はなかなか厄介です。これには主にニ点の要因があります。
まず、日本語が組み込まれたロムをプレイするまで一行の文字数が正確に分からないという点です。文字サイズは使用するフォントによって変わってきますが、ローカライザーによっては、オリジナル版と日本語版で違うフォントを使う場合があるのです。そのため、例え下訳の段階でオリジナル版をプレイできたとしても、「このテキストボックスには英語で一行30文字まで入るから、日本語では一行15文字までだろう」などと単純計算しても、実際に日本語を組み込むと違っているケースもあるのです。

もう一つが、表示場所によって一行の文字数が変わってくるという点です。システムメッセージとキャラクターのセリフで一行の文字数が異なることはよくありますし、システムメッセージと一口に言っても、使われる場面によってテキストボックスのサイズが異なる場合もよくあります。
キャラのセリフに関しては、テキストボックスのサイズは固定されていることが多いですが、たま~にセリフの表示箇所によってテキストボックスのサイズが変わってくるゲームもあるので要注意です(↓和ゲーの例ですが)。

SO2_1 SO2_2

そのため、インゲームテキストに改行を正しく入れたいと思ったら、基本的には全てのインゲームテキストを実際のゲーム中で確認しながら(かなり骨の折れる作業ですが…)改行を入れていくのが最も確実な方法です。


・改行を入れないとどうなるか

PC用のローカライズタイトルでは、読みやすい位置に改行が入っていないものも割と見かけますが、それ以外(コンソール機や携帯ゲーム)のローカライズタイトルでは、丁寧に改行が入っているケースがほとんどだと思います。PCゲームではテキスト量が数十万ワードに上る場合も珍しくはないので、全てのテキストに正しく改行を入れようとなると、発売スケジュールが後ろに倒れるぐらい多くの時間が必要になってくるんですね。しかし改行が適切に入っていないと、レビューサイトなどでユーザーから「テキストが読みにくい」と指摘されてしまうこともあります(私は実際にありました…)。

(改行が入っていないゲームの例)
NoLinebreak

例え改行を入れないとしても、上のゲームのようにテキストボックスの右端まで行ったら自動的に折り返されるようプログラムされている場合ならまだいいのですが、そのようにプログラムされていない場合、改行を入れないとテキストボックスからテキストがはみ出したり見切れたりしてしまいます。

Overlapping

このようにテキストがはみ出したり見切れたりしてしまった場合、大抵はデバッグ作業(テストプレイヤーが開発途中のゲームをプレイして、ゲーム中に不具合がないかどうかを確認する作業)の段階で発見され、修正されることになります。そのため、テキストのはみ出しが放置されたまま出荷されるケースはまずありませんが、あらかじめ翻訳者の手できれいに改行を入れておけば、デバッグ作業やデバッグ後のリライト作業を減らすことにもつながると思います。



ゲーム翻訳に関する他の記事はこちら→ゲーム翻訳の記事一覧
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ゲーム翻訳 7 ~ゲームをプレイしながらリライト~

<ゲーム翻訳のリライト>


どんな翻訳分野でも訳文のリライトは非常に重要な作業になってきますが、ゲーム翻訳のリライトも同様に、多大な労力が要求される作業となります。今回は、ゲーム翻訳のリライトのポイントを解説していきたいと思います。

ゲーム翻訳 2」でも説明しましたが、インゲームテキストの翻訳はだいたい以下のような流れで進んでいきます。

※開発元=オリジナル版を制作した海外のゲーム会社
※ローカライザー=日本語版を販売する日本のゲーム会社

①開発元がローカライザーにテキストファイルを渡す

②ローカライザーが翻訳者(翻訳会社)にテキストファイルを渡す

③翻訳者(翻訳会社)が翻訳を一通り終え、ローカライザーにテキストファイルを納品する(下訳)

④ローカライザーがテキストファイルを一通りチェックし、開発元に送る

⑤開発元が日本語テキストをゲーム内に組み込み、日本語版の開発ロムをローカライザーに渡す

⑥ローカライザーと翻訳者が(またはどちらか一方が)、日本語テキストの組み込まれたロムをプレイしながら日本語をリライトする

⑦上記④~⑥を繰り返す(マスターアップの時期までひたすら続く)

⑧日本語テキストが完璧に仕上がったら、翻訳終了


今回解説するのは、上のワークフローでいう⑥の部分です。
まず、ゲーム翻訳では、非常に多くの時間をリライトに費やす必要が出てきます。 これは、実際に画面を見てみないと適切な日本語に翻訳できているかどうか分からないテキストが多いこと、また、全てのインゲームテキストをゲーム内で確認するのに大変な手間がかかることが理由として挙げられます。特に上記ワークフローの③の段階で、実際にゲームをプレイすることができなかった場合、おそらく、かなりの量の日本語テキストをリライトする必要が出てくるはずです。
翻訳会社を通じてゲーム翻訳の仕事を受注した場合は、③で下訳を納品して翻訳者の仕事は終了というケースもあります。ただし最近では、ゲームをプレイしながら最後まで日本語をリライトしてくれる翻訳会社も多いので、翻訳会社に登録したいと思っている方でも、リライト作業のことを念頭に置いておくといいと思います。

誤訳の有無も含め、インゲームテキストが適切な日本語に翻訳されているかどうかは、実際のゲーム画面で確認しなければ分からないことが多いです。そのため、リライトをする際は、なるべく全てのインゲームテキストをゲーム内で確認することが理想です。
しかし、ボリュームの多いゲームやランダム要素の多いゲーム、分岐の多いゲームなどでは、全てのテキストをゲーム内で確認するというのは至難の業です。現実問題、スケジュールの都合で全てのテキストを確認できないことも多いです… 実際に全てのテキストをゲーム内で確認しようと思うと、最初の下訳作業よりもよっぽど多くの時間を費やすことになります。


では、ここからはリライトのポイントを説明していきたいと思います。

1. 表示箇所を見てリライト

まず、下訳の段階で最も訳すのが難しいテキストは、ゲーム中のどこで表示されるのかが分からないテキストです。そして「ゲーム翻訳 3」で説明した通り、長いテキストよりも短いテキストの方が、ゲーム中での表示箇所が想像しにくいものです。そのため、リライトの段階では、下訳時に表示箇所が分からなかった短いテキストの確認とリライトに多くの時間を費やすことになります。

一つ例を挙げたいと思います。言葉だけで申し訳ありませんが、以前ワニワニパニックのようなゲームの翻訳をした際に、「gators」というテキストがありました。私は最初、このテキストを「ワニ」と直訳したのですが、日本語が組み込まれた後にゲーム画面を確認してみると、「1 gators、2 gators、3 gators...」といった具合に、叩いたワニの数を表しているテキストだということが分かったのです そして、ゲーム画面に合わせて「匹」とリライトしました(「1ワニ、2ワニ、3ワニ...」→「1匹、2匹、3匹...」)。

また、別のゲームの話ですが、テキストファイルの中に「Yes/No」というテキストがあったので、私は迷わず「はい/いいえ」と翻訳しました。しかし後でゲーム画面を確認してみると、これはコントローラーの振動機能を「使う/使わない」という意味で使われていることが分かったのです。この場合、「はい/いいえ」と翻訳すると不自然に見えてしまうので、「有効/無効」とリライトしました。

このように、1ワードなどの短いテキストは、実際にゲーム画面で確認して初めてコンテキストが分かることが多いです。 そのため、ゲーム画面を見ながら適切な日本語にリライトしていく必要が最も多いのも、こういった短いテキストです。


2. 固有名詞のリライト

海外ゲームをプレイしていると、アイテムやキャラクターの中にグラフィックと名前が合っていない(と日本人が感じる)ものを発見することがあります。当たり前のことですが、言語感覚や文化は国によって違いますので、欧米人にとって自然なネーミングでも日本人にとっては不自然に感じる、ということが結構あるんですね。そのような固有名詞を見つけた場合、日本人の感覚に合うように名称を変更することがあります。ただ、新しいキャラクター名やアイテム名を考えるのはネーミングセンスが問われてくる問題でもありますので、一人の翻訳者が独断で決めることはせず、関係者内で話し合って決めていくのがいいと思います。

とあるRPGで「Magic Bar」という、キャラクターの魔力を高めるアイテムが登場しました。最初は何も考えずに「マジックバー」と翻訳したのですが、実際にゲーム画面で確認すると、棒状のチョコレート(チョコバー)の形をしたアイテムだったんです(ちょうど下の画像のような形です)。チョコレートのことを「バー」とだけ呼ぶのは日本人の言語感覚には合わないと思い、「マジックチョコ」とリライトすることにしました。

ChocoBar

また、別のRPGの翻訳をした際に、「Information Server」というアイテムがありました。直訳すると「情報サーバー」となりますが、実際にゲーム画面を確認すると、そのアイテムは明らかにノートパソコンの形をしていたのです。ひょっとすると欧米ではパソコン本体のことを「Server」と呼んでも違和感はないのかもしれませんが(それとも間違えただけでしょうか?)、日本人の感覚からすると少し違和感がありますよね。そのため、このアイテムの名称は「情報用端末」とリライトされることになりました


3. 仕様に合わせてリライト

原文を直訳すると、テキストの内容と実際のゲームの仕様が矛盾してしまう、ということがあります。そのような場合、ゲームの仕様に合わせて日本語訳を変えていく必要があります。

以前、私が翻訳を担当したRPGで「Physical Defense」と「Magical Defense」というステータスがありました。RPGにおける「Defense」は「防御力」のことを表すのが一般的なので、私は最初この二つを「物理防御力」、「魔法防御力」と直訳しました。しかし実際にゲームをプレイして仕様を確認すると、この二つの項目は、「物理攻撃/魔法攻撃を避ける能力」を表していることが判明したのです。攻撃を避ける能力を「防御力」と呼ぶとユーザーの誤解を招きかねないと思い、この二つのステータスを「物理回避力」、「魔法回避力」とリライトすることになりました。

このように、原文を直訳するとゲームの仕様と矛盾してしまうという場合、優先すべきは原文の字面ではなくゲームの仕様です。 なぜなら、日本語版のユーザーにとっては日本語テキストが全てだからです。原文を優先するとユーザーの混乱を招いてしまうようであれば、多少原文を無視してでも、ちゃんと仕様に合った日本語テキストに翻訳するべきでしょう。



他の翻訳分野のリライト作業では、「誤訳がないかどうか」や「もっといい日本語表現がないかどうか」、「語句統一が取れているか」などといった要素に主眼を置くと思いますが、ゲーム翻訳の場合は、それ以外にも上記のような多くの確認事項が存在し、リライトに膨大な時間を費やすことになります。
ただし、実際に自分の翻訳が入ったゲームをプレイしながらリライトしていくのは、ゲーム翻訳の醍醐味の一つです。下訳だけではなく最後までテキストの面倒を見る方が、そのゲームに対する愛着も湧いてくるような気がします



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