最新記事


『ウォーリーをさがせ!』の面白翻訳をさがせ! (09/09)

『レトロゲーム超翻訳セレクト』の英語版が販売開始! (06/17)

『レトロゲーム超翻訳セレクト』の英語版が登場予定! (02/04)

ゲーム英語辞典『Gaminglish(ゲーミングリッシュ)』作成中(最終更新日:2016/07/08) (12/31)

同人誌『レトロゲーム超翻訳セレクト』 再頒布予定② (12/13)

『MOTHER2』のローカライズ解説本が超面白い (12/10)

同人誌『レトロゲーム超翻訳セレクト』 再頒布予定① (11/23)

レトロゲーム同人イベント「ゲームレジェンド」にサークル参加予定 ② (11/03)

レトロゲーム同人イベント「ゲームレジェンド」にサークル参加予定 ① (10/23)

ポケモンGOのエイGOをゲットだぜ (07/26)

Netdecking 【ネットデッキング】 (07/08)

Hudson Bee 【ハチ助】 (06/28)

Faceroll 【フェイスロール】 (06/21)

Legal Loli 【合法ロリ】 (06/15)

Rage quit 【キレ落ち】 (05/02)

謹賀新年 (01/01)

米国人ゲーマーグループが選ぶ「史上最高のビデオゲーム200本」 (12/07)

RNG hates me 【乱数は俺を嫌っている】 (11/25)

OTK 【ワン・ターン・キル】 (11/24)

imba 【バランスが悪い】 (11/19)

総記事数:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ゲーム翻訳 17 ~共有テキストに注意~

<ゲーム翻訳独特の要素 その4>

ゲームでは、一つのインゲームテキストがゲーム内の複数の箇所で使われる(共有される)ことがあります。そのような使われ方をするテキストを「共有テキスト」と呼んでいます。今回は、ゲーム翻訳における共有テキストについて説明していこうと思います。


・共有テキストとは?

前述の通り、「共有テキスト」とは、ゲーム内の複数の箇所で使われる(共有される)テキストのことです。
まあ百聞一見ということで、とりあえず下の画像をご覧ください↓

DQ2_UI DQ2_Battle

同じ「ITEM」というテキストが二つの異なる箇所で使われていますよね。仮に、この「ITEM」というテキストが全インゲームテキスト中(というかソースコード中)に一つしか存在しないとしたら、一つのテキストが複数の箇所で共有されているので、このテキストは共有テキストである、ということになります。

このように一つのテキストを複数の箇所で共有するのは、プログラミング上の便宜を図る目的やゲームの容量を減らす目的などがあるのでしょうが、このような共有テキストがゲーム翻訳者にとって厄介な存在となることがあるのです


・共有テキストを翻訳する際のポイント

共有テキストを翻訳する際には、そのテキストが表示される箇所をゲーム中で全て確認し、どの箇所にも適合するような日本語に翻訳する必要が出てきます。

例えば上の画像の「ITEM」を日本語に翻訳するとしたら、左の画面と右の画面のどちらの「ITEM」に当てはめてもおかしくないような日本語に翻訳しなければならないのです。まあ、この場合は、「アイテム」や「道具」と翻訳しておけばどちらの画面でも違和感はないので問題はありませんが、一つの共有テキストをどの箇所にも合うような日本語に翻訳するというのは、時として難しい場合もあります。

例えば、下の二枚の画像が同じゲームのものだとして、「Continue」というテキストが、ゲームオーバー画面とシステム画面のインターフェースで共有されているとします↓(赤線が引かれているテキスト)

ContinueGameover  ContinueSystemUI
(大文字と小文字の違いがありますが、そこんとこは突っ込まないでください…

この場合、左のゲームオーバー画面では「コンティニュー」と翻訳したい(もしくは英語のまま残したい)ところですが、右のシステム画面では「進む」、「決定」などと翻訳したいところです。しかし、この「Continue」が共有テキストである場合、二箇所の「Continue」に別々の日本語を割り当てることができません。 そのため、「続ける」など、どちらの「Continue」に当てはめても違和感のないような日本語に翻訳する必要が出てくるのです(少し違和感があるかもしれませんが)。


・全ての箇所に合うような日本語に翻訳できない場合

共有テキストの翻訳では、どうしても、全ての箇所に適合するような日本語に翻訳できない場合もあります。どんな場合があるのか、四つほど例を挙げたいと思います。

1. スペルが同一で意味が異なる英語
とあるゲームで、「Arms」というテキストが、キャラクターメイキングの画面と自軍の戦術を決める画面で共有されていることがありました。前者の「Arms」はキャラクターの「腕」、後者の「Arms」は自軍の持つ「兵器」という意味で使われていたのです。このような場合、両方に合う日本語を考えるのはどう頑張っても無理です。
他にも、スポーツゲームで、「ポジション」を表す「Position」とランキングの「順位」を表す「Position」が共有されていたケースもありました。

2. 片方を英語、もう片方を日本語で表示したい場合
以前、「ゲーム翻訳 4」でも説明しましたが、ゲーム翻訳では一部のテキストをあえて英語のまま残すことが頻繁にあります。そして、一つのテキストが複数の場面で共有されている場合に、その内のいくつかは日本語で、他は英語で表示したいといったことも珍しくはありません。例えば、モード名を表す「Career Mode」というテキストが複数の箇所で共有されているとして、これをメインメニューでのみ英語のまま表示したい、というようなケースです。実際、メインメニューだけは英語で統一しようという場合も多いので、この問題は割と頻繁に起こります。

3. 性別の異なるキャラクター間でセリフが共有されている場合
これはあまり起こらない問題ですが、まれに、異なるキャラクター間でセリフが共有されている場合もあるのです。例えば、男性キャラターのセリフの「Let's go!」と女性キャラクターのセリフの「Let's go!」が共有されているとします。この場合、男性の方は「さあ、行こう!」、女性の方は「さあ、行きましょう!」などと別々の日本語を当てたいところです(キャラの性格次第で変わってきますけどね)。しかし、このテキストが共有されている場合、そのように別々のセリフを割り当てることができません。
例えばセリフを共有しているキャラクターが、特に性格の定まっていないNPCなどの場合は、とりあえず敬語に翻訳しておけば老若男女どんなキャラクターのセリフであっても違和感はないので問題ありませんが。

4. 作成基準に違反してしまう場合
これもあまり起こらない問題ですが、そのゲームがマルチプラットフォーム展開される場合、共有テキストに別々の日本語訳を割り当てないとプラットフォームの作成基準に違反してしまう、といったケースもあります。
一番分かりやすい例が「Controller」です。いろんなハードでゲームを遊ぶ方ならご存知だと思いますが、「Controller」は、あるプラットフォームでは「コントロー」、またあるプラットフォームでは「コントローラー」と表記することが、作成基準により義務付けられています。しかし、「Controller」を含むテキストが各プラットフォーム間で共有されている場合、「コントローラ」、「コントローラー」と表記を分けることができなくなってしまいます。


・上記のような場合にどう対処するか?

上で挙げた例のように、共有テキストを適切な日本語に翻訳することが難しい場合、これはもう翻訳者の手ではどうにもできない問題なので、開発元に相談して別々の日本語を表示させるようプログラム変更してもらうしかありません。 フリーの翻訳者や翻訳会社で勤務している翻訳者であれば、「このテキストは~の画面と…の画面で共有されているが、~の画面ではAと、…の画面ではBと表示してくれ」といった具合に要望をまとめ、ローカライザーを通して開発元に依頼を出すといいでしょう。
私の知る限り、開発元にそういった依頼を出して「それは無理だ」と断られたケースはほとんどないので、おそらくプログラマーにとってそこまで煩わしい作業ではないのだと勝手に思っています(煩わしかったらごめんなさい…)。


・共有テキストを見逃さないように

共有テキストの怖いところは、翻訳者が共有テキストだと気づかないまま翻訳してしまうことがあるという点です。例えば、上の「Arms」の件でいうと、戦術画面の「Arms」だけを見て「兵器」と翻訳し、キャラメイク画面の「Arms」に気づかないまま放置してしまう、といった危険性もあります。最悪の場合、デバッグ作業の間も誰もそのことに気づかず、キャラメイク画面の「Arms」が「兵器」と翻訳されたままゲームが市場に出荷されてしまうということも、あり得なくはありません。そのような事態を避けるためにも、やはり、なるべく全てのインゲームテキストを実際のゲーム内で確認することが重要になってきます。



ゲーム翻訳に関する他の記事はこちら→ゲーム翻訳の記事一覧
スポンサーサイト

☞ 関連記事

ブログパーツ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。