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ゲーム翻訳 3 ~IDからコンテキストをつかむ~

<各テキストの文脈を推測する方法>

ゲーム翻訳では、テキストファイルの中から各テキストの文脈を推測しながら訳していかなければならないことが、多かれ少なかれあります。そして、各テキストの文脈を推測するためには、前回にちょこっとだけ触れたテキストのIDが足掛かりとなる場合があります。
今回は、そんなテキストIDについてもう少し踏み込んで説明し、テキストの文脈を読み取る方法について考えていきたいと思います。


・ゲームのオリジナル版はプレイできる?

まず最初に申し上げておきたいのですが、インゲームテキストの翻訳をする際、そのゲームのオリジナル版(英語なら英語版)をプレイできるか否かによって、翻訳作業にかかる手間が大きく変わってきます。 詳しくは後述しますが、これは、オリジナル版をプレイできるのであれば各テキストの文脈が正確に把握できるからです。
オリジナル版が既に発売されている場合はローカライザーに直接、または翻訳会社を通じて依頼し、オリジナル版を手に入れるといいでしょう。それができない場合は自腹で買うことになるかもしれません(海外の通販サイトで買うことができます)。
しかし、例えオリジナル版がまだ発売されていないとしても、ローカライザーが開発途中のロム(アルファ版やベータ版)を持っているケースもあります。 そのため、まずは何らかの形でそのゲームのオリジナル版をプレイできるかどうか、ローカライザーに問い合わせてみるといいでしょう。

しかしオリジナル版も未発売、開発途中のロムも手に入らないという状態で翻訳作業に入る場合もあります。 これは開発元の方で、開発版ロムはまだ完成していないもののインゲームテキストならまとまっている、というケースがあるからです。そのような場合でも、スケジュールの都合でとりあえずインゲームテキストの翻訳だけ先行して進めてしまおう、とローカライザーが判断することもあるのです。
また、例え開発途中のロムが完成していたとしても、機材の数が足りなかったり機密保持の関係で、外部の翻訳者は開発途中のロムをプレイできない場合もあります。開発版のロムを製品版のハードでプレイできることは少なく、多くの場合、専用の開発機が必要となるからです。

つまり、まとめるとこういうことです↓

1. オリジナル版が既に発売されている
→ローカライザーから借りるか自腹で買うかして、完成版のゲームをプレイしながら翻訳をすることができる

2. オリジナル版は未発売だが、開発途中のロムは出来ている
→開発途中のゲームをプレイしながら翻訳することができる(機材の不足や機密保持の関係でできない場合も有り)

3. オリジナル版が未発売で開発途中のロムも出来ていない
テキストファイルのみを見て翻訳しなければならない


・ゲーム翻訳の難敵は短いテキスト

開発途中のロムや製品版のロムをプレイすることができない場合(上記3のような場合)、翻訳作業が非常に大変なものになります。これは、各テキストの文脈を把握するのがとても難しくなるからです。
そして、そのような場合、キャラクターのセリフのような長いテキストよりも、むしろインターフェース周りで使われるような短いテキストの方が翻訳をする上で厄介であること多いです。これは、短いテキストだと、ゲーム中のどんな場面で表示されるのかがより想像しにくくなるからです。

例えばテキストファイル中に以下のようなテキストがあるとします。

It is 100 dollars per night. Are you going to stay?
(一晩100ドルです。泊まっていきますか?)

RPGをプレイする人なら、これが宿屋の店主のセリフだとすぐに気がつくはずです。このようなテキストは実際にゲームをプレイしなくても、テキストだけを見てすぐに翻訳することが可能です。キャラクターの性別が分からない場合でも、とりあえず敬語に翻訳しておけば問題はないでしょう。

しかしインゲームテキストの中には、次のようなたった1ワードのものも珍しくありません。

Enter

このテキストだけを見ても、どう翻訳していいか分かりませんよね。
部屋などに「入る」という意味で使われるのかもしれませんし、
名前やパスワードを「入力する」という意味で使われるのかもしれませんし、
PCゲームだったら、「Enterキー」のことを指している可能性もあります。


・テキストのIDを見る

上のような場合に役立つのが、前回ちょこっとだけ説明した、テキストファイルの中に含まれるテキストIDなんです。
上の「Enter」のように、ゲーム中のどのような場面で使われるテキストなのかが一見して分からない場合、まずはファイルの中でそのテキストのIDを確認します。
上の「Enter」の場合、
IDが「Online_Lobby_Enter」のようになっていれば、表示箇所がオンラインロビーであることが分かりますので、ロビーに「入室する」という意味だなと見当をつけることができます。
IDが「Player_Name_Entry」のようになっていれば、名前入力画面で文字を「入力する」という意味で使われることが想像できますし、
IDが「PC_Keyboard_Enter」のようになっていれば、キーボードの「Enterキー」を指しているテキストであることが分かります。

テキストファイルだけを見て翻訳作業を進める場合、このようにテキストのIDからコンテキストを読み取りながら翻訳をする必要が出てくるのです。

また、IDからは、そのテキストが「どんな場面で表示されるのか」だけではなく、「どのように表示されるのか」が分かる場合もあります。例えば、私が今まで多く見かけてきたIDとして、以下のような「Title」「Body」の組み合わせがあります。

      ID                  原文
DELETE_DATA_TITLE         Delete Game Data
DELETE_DATA_BODY        Are you sure you want to delete this game data?
                      (このゲームデータを削除してもよろしいですか?)

まずIDの最初の2ワードが「DELETE_DATA」になっているので、これら二つの原文が「データ削除」に関連するテキストであることが分かります。
そしてIDの3ワード目を見ると「TITLE」と「BODY」に分かれています。多くの場合、この「TITLE」と「BODY」は「見出し」と「本文」を表しています。ちなみに、「Title」は「Header」などのワードで表されることもあり、「Body」は「Descrption」などと表されることもあります(その辺りの言い回しは開発元によって様々です)。
つまり、実際のゲーム中では以下のように表示されるということです。

TitleBody

上の見出しのテキスト(Delete Game Data)は、一見一つのセンテンスになっているように見えるため、「ゲームデータを削除する」や「ゲームデータを削除してください」などと翻訳したくなるかもしれません(まあ、さして違和感はありませんが)。
しかし見出しである以上、「ゲームデータの削除」や「ゲームデータ削除」といった具合に名詞形で翻訳する方が適切でしょう。 上の例のように各単語のイニシャルが大文字になっていたり、最後にピリオド(.)が付いていない場合、一見ちゃんとしたセンテンスになっているように見えても、実際は見出しであることも多いです。

さらに、テキストファイル中に以下のようなテキストがあるとします。

      ID                  原文
DELETE_DATA_OPTION1          Yes
DELETE_DATA_OPTION2          No

IDが「OPTION」となっていますので(「ITEM」などと表される場合もあります)、これらの原文がこの画面におけるプレイヤーの「選択肢」であることが想像できます。
つまり、全てまとめると以下のように表示されるということです。

TitleBodyYesNo

ゲーム翻訳では、このように各テキストがゲーム中のどのような場面でどのように用いられるのかを、テキストのIDから推測していく必要があるのです。

・テキストファイルは開発会社によって全然違う

前述の通り、IDにどんなワードを用いるかは、開発会社によって様々です。中にはIDが数字だけなんていうひどいケースもありました。しかしほとんどの場合は、ゲーム中での表示箇所や表示方法に関する情報が、テキストファイルのどこかに含まれています。
テキストファイルを受け取ったら、まずは全ての列をよく確認し、どんな情報が含まれているのかを把握しておくようにしましょう。



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