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ゲーム翻訳 11 ~バグレポートの翻訳~

<インゲームテキスト以外のゲーム翻訳


「ゲーム翻訳 1」で、当ブログではゲーム翻訳=インゲームテキストの翻訳」と定義すると述べましたが、インゲームテキストの翻訳以外にも、ゲームのローカライズに伴う重要な翻訳作業があります。
それが、今回説明するバグレポートの翻訳です。


・バグレポートとは

ゲームの開発には必ずデバッグという作業が含まれます。デバッグとは、開発途中のゲームを数人~数十人のテストプレイヤーがプレイし、ゲームが突然止まったりするなどの不具合(バグ)がないかどうかを検証する作業のことです(詳しくは、Wikipediaの「デバッグ」をご参照ください)。
デバッグ作業中、テストプレイヤーはバグを発見するたびに、そのバグを詳しく説明するためのバグレポートを書きます。そのバグレポートを各担当者(プログラマーやデザイナーなど)に回覧し、担当者がそれらのバグを一つ一つ直していくことで、開発途中のゲームから不具合を取り去っていくというわけです。


・ローカライズにおけるバグレポート

では、何故このバグレポートを翻訳する必要があるのでしょうか?
海外ゲームの日本語版を開発する際、デバッグ作業は、そのゲームの日本語版を発売するパブリッシャーやローカライザーの下で行われることが一般的です。それに対し、発見されたバグを直すのは海外の開発元です(もちろん例外もあります)。そのため、日本語で書かれたバグレポートを海外のプログラマーやデザイナーに読ませるために、誰かがバグレポートを英語に翻訳する必要が出てくるわけです。

日本人のテストプレイヤーがゲームをプレイし、バグを発見する

テストプレイヤーが、そのバグを詳しく説明するためのバグレポートを書く

翻訳担当者が、そのバグレポートを英語に翻訳する

英語に翻訳したバグレポートを海外の開発元に送る

開発元の担当者(プログラマーなど)が、そのバグを修正する


・バグレポートは誰が翻訳するの?

バグレポートの翻訳者は、プロジェクトによってまちまちです。バグレポートの量が少なければ、社内のローカライズ担当者や英語のできる社員だけで翻訳を回していくこともあるでしょう。しかし、短期間に集中して大規模なデバッグを行う場合などは(大型タイトルや開発期間の短いタイトル)、一日に数十件ものバグレポートが上がってくることもあります。そのようなことが予想される場合、ローカライザーは、外部の翻訳会社やデバッグ会社にバグレポートの翻訳を依頼することもあります。デバッグ会社と書きましたが、最近ではデバッグ会社が登録翻訳者を持ち、社内でデバッグとバグレポート翻訳の両方を兼ねているケースもあります。

「英語→日本語」のローカライズの場合、バグレポートは日本語→英語に翻訳することになります。ですので、翻訳会社やデバッグ会社によっては、バグレポートの翻訳を日本人ではなくネイティブの翻訳者に任せる場合もあります。しかし、基本的にバグレポートは意味さえ伝わればよいものであるため、英訳とはいえ、そこまで高い英語力は求められません。 そのため、ローカライザーでも翻訳会社でも、日本人にバグレポートの翻訳を任せるケースもあります。ゲーム翻訳に関わるのであれば、バグレポートの翻訳も視野に入れておくと仕事の幅が広がるかもしれません。バグレポート翻訳の求人を探したいと思ったら、翻訳会社だけではなく、デバッグ会社の採用ページなども覗いてみるといいと思います。


・なんでわざわざ日本語版でもデバッグをするの?

ここで、「オリジナル版でデバッグをしたんだから、日本語版でデバッグをする必要はないんじゃないの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、実際、デバッグはしなきゃいけないんです。

まず、海外のゲーム会社は日本のゲーム会社に比べてデバッグが適当です。 というか、日本のゲーム会社が丁寧すぎると言った方が正しいですかね。これはもう文化の違いとしか説明できないのですが、欧米では作り手の間にもユーザーの間にも「細かいことは気にすんな」的な空気があります。ゲームを作る側もプレイする側も、日本人ほどディテールにこだわらないんですね。また、欧米ではコンシューマゲームであってもパッチの配布が多いため、「とりあえず発売して、バグが問題になったらパッチを配布すればいいか」と考える開発者が存在するんです。そのため、重大なバグがたくさん残っている状態でゲームを発売するなんてことは、欧米では当たり前なんですね。

しかし、「モノづくりの国」日本ではそうはいきません。発売後に重大なバグがいっぱい見つかったりしたら、その噂がゲーマーの間で一気に広がり、そのゲームを発売した会社のブランドイメージを大きく下げることにつながりかねません。そのため、例えオリジナル版が既に発売していて、ある程度バグがなくなっているとしても、日本語版では更に綿密にデバッグをしなければならないのです。


・バグレポート翻訳のポイント

基本的にバグレポートは、ゲーム中の

1. この場所で
2. こういう行動を取ると
3. こういった不具合が起こる
4. しかし本来はこういう挙動であるべきだ


という四点について書かれているものです。
(例)最初の町で宿屋に泊まっても体力が回復しない。体力が回復するように修正してほしい。
→When taking a rest in the inn at the first town, the characters' health will not be restored, but it should recover their health.

もちろん、中には一枚で数百文字に渡る複雑なバグレポートもありますが、基本的に上記の四点がネイティブに正しく伝わるのであれば、多少は拙い英語でも構わないと思います。上の英訳は私が翻訳したものですが、このレベルで十分意味は伝わります。
それに、海外では日本よりも企業同士の関係がフランクであるため、特に敬語などに気を遣う必要もありません。実際、自分もきちんと英訳の勉強をしたわけではありませんが、バグレポートの翻訳をしていて、意味が全然伝わらなかったり問題を起こしたりしたことは一度もない、と思います…。

しかし、英語力そのものは重要じゃないとしても、テレビゲームに関する英語をどれだけ知っているかということは、ある程度重要になってきます。これは日本のゲーム業界にもいえることですが、ゲームの世界にはゲームの世界特有の用語がたくさんあります。 例えばゲームの世界では、キャラクターの残り数を表す際に、そのキャラクターが人間であっても「1機、2機」と表現しますが、本来、「機」には人間を表す意味は含まれていないでしょう。そういったゲーム用語は英語にも多く存在しますので、英語のゲーム用語を多く知っていれば知っているほどバグレポートの内容を開発者に分かりやすく簡潔に伝えることができ、作業スピードも上がります。
(例:1面、2面→Level 1, Level2  体力ゲージ→life bar, health barなど)


・ゲーム用語の勉強方法

普通に英語を勉強しているだけでは、おそらくゲームの世界で使われる英語はほとんど身につかないでしょう。ゲームの世界特有の表現というのは、英語の参考書や辞書を見てもあまり載っていないものです。
ゲーム用語を身につけるためには、やはり日ごろから海外のゲームをプレイしたり、海外のゲーム系サイトに目を通したり、海外のゲーム雑誌や攻略本を読んだりすることが必要になってきます。特に、英語の説明書や攻略本を読むと、プレイヤーの操作やキャラクターの挙動に関する英語表現がたくさん身につくのでオススメです。攻略本を購入するのが面倒だったりお金をかけたくない方は、インターネットの攻略サイトを見るだけでも十分勉強になります。Googleなどで「ゲーム名 walkthrough」で検索すると、海外の攻略サイトがいっぱい見つかります。
そういった場所でよく使われているゲーム用語をストックしておくと、バグレポート翻訳の精度だけではなく、インゲームテキストの翻訳スピードも上がってくるかもしれません

次回は、バグレポートで使う英語について、もう少し詳しく説明したいと思います。



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