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スクエニの翻訳は笑える……の?

先週のことですが、4/25にスクエニさんから発売予定のタイトル『トゥームレイダー』の日本語翻訳がおかしいという話題が複数のまとめサイトにて取り上げられました。

【画像】スクエニの翻訳クソワロタwwwwww - キニ速
TombRaider_20130314010343.jpg

リンク先に貼ってある大量のスクリーンショットをご覧になればお分かりいただけるとおり、日本版の字幕に台本用の「ト書き」らしきものがいちいち入り込んでいるというのです。こんな字幕では読みにくいことこの上ない、ということで、スクリーンショットを見たネットユーザーの間では非難轟々。過去のローカライズタイトルでも数多くの批判に晒されてきたスクエニさんだけあって、「スクエニはもうローカライズをやめろ」といった痛烈なご意見も見られました。

しかし、同じく洋ゲーのローカライズを生業にしている者として、この件についてスクエニさんに代わって釈明をしようと思います。結論から言いますと、これは、翻訳が悪いわけでもローカライズが悪いわけでもありません

この字幕は正式な日本版のもの?
実は、件のスクリーンショットは日本版で撮影されたものではなく、先行して発売された海外版の中に日本語ファイルが紛れ込んでいて、それが不具合によって日本人ユーザーのSteam環境で表示されただけ、ということが後ほど判明したらしいのです。
(注:ソフト側の不具合なのかSteam側の不具合なのかは定かではありません)

4/25に発売される日本版でも同様にト書きが入っているのでは?と懸念を抱いている方もいるでしょうが、それはないと思います。前述のまとめサイトでは、「難聴の人のためにト書きを入れたのでは?」といった面白い推測も見受けられましたが、恐らくそうではなく、このト書きは日本版の音声収録のために訳出したものではないでしょうか。その場合、音声収録の後にト書きを全て削除するのが普通です。つまり、あくまで「開発途中の」日本語ファイルが海外版ロムの中に紛れ込んでいただけだと私は予想しています。

ト書き付きの字幕だと不格好だし読みにくいというのは火を見るより明らかですし、万が一スクエニさんがト書きを入れたとしても、ハードメーカーであるソニーやマイクロソフトからは問題視されるのではないでしょうか。実際に提出してみないと分かりかねますが、私の感覚では、品質を著しく損なうとの理由で、Must Fix案件(修正必須案件)としてハードメーカーから指摘を受けても不思議ではないと思います。

そういったことも踏まえ、ト書き付きの字幕はあくまで開発途中のものであり、正式な日本版ではセリフのみのクリーンな日本語字幕になっていると考えるのが妥当です。『トゥームレイダー』ファンの皆さん、どうかご安心ください!

●海外版に日本語が入っているとどうなる?
とまあ、不安が払拭されたところで、次に、この問題の原因でもある、海外版ロムに日本語ファイルが紛れ込む、という現象についてお話ししようと思います。

洋ゲーのローカライズの場合、『トゥームレイダー』のように日本版が後発となるケースが多いのはご存じのとおりですが、その場合、今回のように海外版に日本語ファイルが入っていると非常に困りものです。

例えばPCゲームでは、ユーザー自らの手でロム内をいじることによって、日本語をゲーム内に表示できてしまうこともあります。家庭用ゲームの場合はもっと深刻で、もし海外版に日本語ファイルが潜伏していたら、本体側の言語設定を「日本語」に変えただけでゲーム内の言語が日本語になってしまうこともあり得なくはありません。

海外版でも日本語で遊べるとなれば、後から発売される日本版の売り上げに大打撃を与えることは想像に難くありません。日本版のパブリッシャー(今回の場合はスクエニジャパン)としては、絶対に避けねばならぬ由々しき事態なのです。

●どうして日本語ファイルが入っていたの?
ところが実際は、洋ゲーのローカライズにおいてこの問題は割と見落とされがちであり、海外版の発売後に実は日本語ファイルが入っていることに気づき慌てふためく、という事態は他のタイトルでもまれに発生することがあります。

要因はさまざまですが、その中の一つに、海外版と日本版でそれぞれ別の環境・スケジュールで開発を進めているという事情があります。

日本版のパブリッシャーでは、まずゲームのテキストを日本語に翻訳し、それを開発元に送付してゲーム内に組み込んでもらい、日本版のデバッグを開始する、という流れが一般的です。

その後、日本側では日本版のデバッグのみに集中することになります。海外では不問に付されるようなバグでも日本のユーザーやハードメーカーからは許容されないことも多いですし、日本語の実装に起因する日本版特有のバグ(特にテキストバグ)も多発します。つまり、日本側では、日本版のことで手一杯になってしまうのです。

そのため、日本版のパブリッシャーサイドでは海外版に一切触れないなどということも決して珍しくはありません。結果として、海外版に日本語ファイルが紛れ込んでいたとしても、日本側ではそのことに気づきようがないのです。

一方、海外版のパブリッシャーサイドでも、EFIGS(英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語)という複数言語のデバッグ(および海外版プロモーション)に注力しており、日本語ファイルが入っているか否かなど確認している余裕はありません。加えて、ハードメーカーのチェックでも、多くの場合、対応言語以外のチェックは綿密には行われないため、日本語ファイルが入っていてもスルーされる可能性が高いです。

そんなこんなで、海外版に日本語が入っていることに誰一人として気付かぬままリリースされてしまうという事態が、まれにではありますが発生してしまうのです。

そのような事態を回避するためには、先発の海外版に日本語が入っていないかどうかを、日本版のパブリッシャー側から開発元に念入りに確認を取る必要があるでしょう。私自身も同様の事態に見舞われた経験があるので、自戒を込めてではありますが。

●ユーザーの皆さんへ
今回のようなことが発生した場合、日本語テキストは『トゥームレイダー』のように未完成のものである可能性が高いです。そのため、ユーザーの皆さんも、海外版に明らかにヘンテコな日本語が入っていたとしたら、それは開発途中の日本語テキストであり、正式な日本版で同じテキストが表示される可能性は低いということを頭の片隅にでも置いといてください。翻訳を叩くのは、あくまで日本版の発売後にしましょう!

何だかまとまりのない長文になってしまいましたが、要するに、今回の件でスクエニの翻訳を嫌いにならないで!ということが伝わっていれば幸いです。

ではでは。

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