
3月24日から31日にかけて米国はサンフランシスコにて開催された「GDC(Game Developers Conference)」に行ってまいりました! 一週間のフル参加で約30コマのセッションを聴講し、非常に有意義な滞在となりました。というわけで、短文ではありますが、ここでGDCの感想でも書こうかと思います。
前述の通り、管理人は約30コマのセッションに参加したのですが、聴講したセッションの種類は、ローカライズ関連に限らずさまざまです。個々の具体的なセッション内容についてはニュースサイトなどをご覧いただくとして……、今回GDCに参加して感じたのは、いま現在、世界のビデオゲーム業界の派閥(というかトレンド)は、大きく分けて以下のように三極化されているなぁ、ということです。
1. コンソール/PCゲーム勢力(保守派)
2. モバイルゲーム/ローカライズ勢力(拝金派)
3. インディーズゲーム勢力(過激派)
どうでしょう、これで通じますかね? それぞれをもう少し具体的に、かつ脚色を加えつつ説明すると、次のような感じになります。
1. コンソール/PCゲーム勢力(保守派)
従来通り、新たな技術を積極的に導入し、よりハイエンドなゲームを目指す勢力。予算と時間をがっつり確保した上で、ターゲット層を明確に定め狙い撃ちする、ある意味で、これまでのゲーム開発の王道を踏襲していく派閥。
2. モバイルゲーム/ローカライズ勢力(拝金派)
「ゲーム開発はあくまで金儲けの手段である」と考える一派。ユーザー心理を追究し、いかにF2Pゲームでマネタイズするかに重きを置く勢力。また、収益を最大化するため、できる限り多くの地域へ販売網を拡大することをもくろむ。今回のGDCでは恐らく最大派閥であった勢力。
3. インディーズゲーム勢力(過激派)
技術力やマネタイズしか能がないゲームなど、全てまやかしである、真のゲームは Steam にこそあり! 真のゲーム魂はインディーズにこそあり!と唱える過激派。昨今のゲーム業界に対して反感を抱くユーザーの声を代弁する“アンチヒーロー”的な勢力。ここ1、2年の間に急浮上し、信者からは、今後の大化けを期待されている。
と、こんな説明でいいですかね…?
当然、どの方向性を目指すかによって、求められる能力や資質は変わってくるものでしょう。が、いずれの勢力に身を置くとしても、やはりゲーム開発の根本である「ユーザーを楽しませる」精神は必要不可欠であると個人的には考えます。
いくら最先端の技術を駆使しても、ユーザーにとって面白いゲームを作らなければ宝の持ち腐れ、というか技術の無駄づかいですし、ユーザーにとって面白いゲームでなければマネタイズすることもできませんし、ローカライズをしても利益は伸びません。また、面白いゲームでなければ、目の肥えたインディーズゲーマーから喝采を浴びることはありませんし、Kickstarter で寄付を募ることもできません。
つまりは「初心忘れるべからず」ということですね。自分自身、ゲーム業界で飯食っている者の一人として、そのことを肝に銘じておきたいと思います。
今後のゲーム業界に光あれ。
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