最新記事


『レトロゲーム超翻訳セレクト』の英語版が販売開始! (06/17)

『レトロゲーム超翻訳セレクト』の英語版が登場予定! (02/04)

ゲーム英語辞典『Gaminglish(ゲーミングリッシュ)』作成中(最終更新日:2016/07/08) (12/31)

同人誌『レトロゲーム超翻訳セレクト』 再頒布予定② (12/13)

『MOTHER2』のローカライズ解説本が超面白い (12/10)

同人誌『レトロゲーム超翻訳セレクト』 再頒布予定① (11/23)

レトロゲーム同人イベント「ゲームレジェンド」にサークル参加予定 ② (11/03)

レトロゲーム同人イベント「ゲームレジェンド」にサークル参加予定 ① (10/23)

ポケモンGOのエイGOをゲットだぜ (07/26)

Netdecking 【ネットデッキング】 (07/08)

Hudson Bee 【ハチ助】 (06/28)

Faceroll 【フェイスロール】 (06/21)

Legal Loli 【合法ロリ】 (06/15)

Rage quit 【キレ落ち】 (05/02)

謹賀新年 (01/01)

米国人ゲーマーグループが選ぶ「史上最高のビデオゲーム200本」 (12/07)

RNG hates me 【乱数は俺を嫌っている】 (11/25)

OTK 【ワン・ターン・キル】 (11/24)

imba 【バランスが悪い】 (11/19)

Secondhand Market / Secondary Market 【中古市場】 (11/12)

総記事数:

「英語ができて、翻訳ができない」翻訳者

qa061115-01_60.gif

ニュースサイト「現代ビジネス」にて、以下のような記事が掲載されました↓

「大研究 なぜ日本の企業はこんな採用をしているのか ユニクロ・楽天・グーグルほか 急増中!「英語ができて、仕事ができない」若手社員たち」

内容はタイトルの通りです。ざっくり要約すると、「ユニクロや楽天など、社員採用の際に英語力を重視する企業が増えているが、英語ができるからといって仕事ができるわけではない。また、TOEICスコアが高いからといって英会話が堪能であるとは限らない」というものです。最近、よく耳にする言説ですよね。管理人も、この記事の趣旨には基本的に賛成の立場です。

上記記事では、「ショップ店員なら、立派な英語なんて絶対に必要ない」との成毛眞氏の言葉が引用されていますが、英語力と仕事の出来具合が必ずしも一致しないというのは、アパレル関係に限らず、たとえ英語をフルに使う職種であっても、そう、管理人が従事する「英語の翻訳業」であっても当てはまるものと思っています

翻訳業においては、英語力を磨くことによって、当然、仕事のスピードが上昇したり原文の細かなニュアンスを理解できたりといったステータス補正がかかることは事実ですが、翻訳に必要なスキルは英語力だけに留まりません。原文の内容を日本語でアウトプットする際の表現力や、専門用語の意味や定訳を調べるリサーチ力・根気といった資質が、英語力と同等もしくはそれ以上に重要となってくるのです。

恐らくこの点に関しては、(特に現役の翻訳者の方であれば)詳しく根拠を述べずとも異論を唱える人は少ないと思いますので、ここでは、管理人がそのような考えを抱くに至ったきっかけの一つでもお話ししたいと思います。

※タイトルや人物を特定されない範囲で書きたいので、あいまいな部分が多い点、ご了承ください・・・。


●管理人の体験談
もうずいぶん前の話ですが、管理人は、とあるPCゲームの翻訳を引き継ぐことになりました。そのゲームは既に発売されているタイトルであり、管理人が翻訳を担当するのは、数カ月後に控えている大型アップデート用の追加テキストでした(DLCのようなものだと思ってください)。テキスト量は、確か英語で数万ワードほどだったと思います。

本編の翻訳を担当した前任者は、生粋の日本人でありながらTOEIC満点で英語ペラペラ。英語力に限っていえば、まさにエリートと呼ぶにふさわしい人物であり、その点は管理人も尊敬申し上げておりました。そんな方の後任が自分なんぞに務まるのかと、翻訳が始まる前は戦々恐々としていた覚えがあります。

しかし、ふたを開けてみると、実に意外。前任者が受け持った範囲、つまりゲームの本編部分の翻訳は、それはそれはぞんざいなものでした。そのゲームはある専門分野に特化した内容なのですが、前任者がその分野のリサーチを怠っていたことは明白で、リサーチ不足による誤訳や不自然な日本語(珍訳)が随所に見られたのです。

当然、そのシリーズのファンやその分野の濃いオタクの方たちからは不満続出。本編の発売から日を経ずして、有志たちの手により「誤訳Wiki」なるものが作られたほどです。今日ではあまりお目にかからないかもしれませんが、例えばこういうやつです↓

「サンシャイン牧場 まとめ」誤訳訂正依頼一覧

翻訳者にとって最もおっかないWikiの一つですね(笑)。そう、たとえ人並みはずれた英語力を持っていても、訳文の質が低ければ批判を受ける。ゲーム翻訳とは、ある意味で非常に厳しい世界でもあるのです(しみじみ)。

まあ、件の本編は、海外版と日本版の間に発売日のタイムラグがほとんどなかったので、翻訳にあまり時間を割けず突貫工事で仕上げざるを得なかったのは想像に難くありませんが。好意的に解釈すれば、日本のユーザーに早く届けたい一心であえて泥をかぶったのかもしれません。


●「誤訳Wiki」撃破!
で、管理人自身はどうしたのかといいますと、アップデート部分の翻訳が終わるや否や、本編の翻訳修正に着手しました(アップデートで修正できるからです)。誤訳Wikiに載っていた箇所以外にも修正すべきテキストが山積みでしたので、そのすべてを網羅することはできませんでしたが、誤訳・珍訳の多くを潰すことができました。

※ちなみに当時、2ちゃんねるでは、「翻訳した奴は誤訳Wikiを見てるに違いない」といった書き込みがありましたが、はい、毎日見ていました

そしてアップデートが行われました。恥ずかしながら、アップデート部分(管理人の担当箇所)にも、一部、誤訳が見られ、ユーザーさんのブログにてご丁寧にスクリーンショット付きでご指摘を受けたりもしました。翻訳者とは、こうした経験を乗り越えて強くなっていくのです・・・。

しかし、2ちゃんねるで行われた有志たちの協議の結果、誤訳Wikiはこれ以上存続させる必要はないだろうという結論に至り、該当のWikiはいつの間にやら消えていました(決して自分自身では2ちゃんに書き込んでいません)。


●「リサーチ」も翻訳の重要要素
前任者の翻訳に多くの欠陥が存在したのは、一にも二にも「リサーチ不足」が原因です。きっと、それ以外のパラメーターにスキルポイントを振りすぎてしまったのでしょう。自身の英語力に慢心することなく、専門分野に関するリサーチやゲーム内でのテキスト確認に力を注ぐ姿勢が良い翻訳を生むのだと思わされた体験でした。

ではでは。


スポンサーサイト

☞ 関連記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


ブログパーツ