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伝説のゲーム翻訳家による、『クロノ・トリガー』の英訳

突然ですが、皆さんは、自らが所属する業界や職種において、「尊敬する人物」や「憧れの存在」はいますでしょうか?

管理人はといいますと、職業上最も尊敬する人物として、“Ted Woolsey”氏という、言わずと知れたゲーム翻訳界の第一人者の方がいらっしゃいます。管理人がまだ翻訳修行中のころなどは、氏の訳文をバイブルと仰ぎ、多大なる影響を受けてきました。

Woolsey 氏は、スーパーファミコン(SNES)時代に『ファイナルファンタジーVI』や『聖剣伝説2』といったスクウェアタイトルの英語ローカライズをいくつも手掛け、その卓越した手腕でゲーム翻訳のあるべき姿を世に知らしめた、まさに“伝説のゲーム翻訳家”とも言うべき人物なのです。

氏の詳しい経歴については、Wikipediaなどをご参照いただくとして・・・、
ここでは、Woolsey 氏が担当されたSNES版『クロノ・トリガー』の英訳の中から、管理人の印象に残っているものや面白い意訳などを勝手にいくつか紹介したいと思います。


▼その1 伝説の剣
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日本語:グランとリオン
英語版:Masa & Mune(マサとムネ)

日本語版ではグランとリオンで“グランドリオン”という剣であったのに対し、英語版ではマサとムネで“マサムネ”です。当時、和ゲーにおける伝説の剣といえば、“マサムネ”が最もしっくりきたのでしょうかね? 大胆かつ興味深い意訳です!


▼その2 魔物がシスターに化けている場面
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日本語:私達は、世界の平和のためにいのっておりますですことよ。
英語版:We want nothing but world peace... Or a piece of the world, tee, hee...(私達が欲するのは世界平和・・・もとい世界の一部かしら、ケケケ・・・)

Peace と Piece をうまく引っかけて、魔物のしらじらしさを表現しています。日本語の「おりますですことよ」も、胡散臭さが漂っていてイイですね。


▼その3 戦意喪失した長老に活を入れる場面
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日本語:長老 お前達 生きてない。死んでないだけ。
英語版:Old man breathe, but dead on inside.(長老 息してる。でも 心 死んでる)

海外のファンからも名言の一つとして挙げられる台詞です。エイラをはじめとする原始人たちの舌足らずな台詞は、英語版でもbe動詞を抜くなどして巧みに表現されています。


▼その4 走者の名前
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日本語:ほいほいソルジャー
英語版:G. I. Jogger(G. I. ジョガー)

一番右にいる兵隊っぽいキャラクターの名前です。Jogger だとあまり速そうではありませんが(笑)、まあ、半ば笑いに走る場面なのでそこは重要ではないでしょう。それにしても、「ほいほい」って一体何でしょうかね?


▼その5 中世の調理場
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日本語:しかし、王妃様が食べたいというクレープってな一体何だ?
英語版:What's this “Eyes Cream” stuff that Queen Leene wants so badly?(王妃様が食べたいという“アイズクリーム”ってな一体何だ?)

未来から来た王妃様(のソックリさん)から「クレープが食べたい」と言われたけど、クレープが何のことか分からず困惑する料理長です。英語版では、「アイスクリーム」と言われたものの微妙に聞き間違えてしまったようです。どんなグロい料理が出てくるのやら・・・。


▼その6 人間を憎むのをやめた魔物
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日本語:いつまでも過去にとらわれていてもしかたがない。
英語版:My motto is “forgive and forget”(俺のモットーは“過去のことを根に持つな”だからな)

forgive and forget というフレーズは、このゲームで知りました。韻を踏んでいていい響きですね。隣の国にも、ぜひ見習っ(自重)


▼その7 城の兵士にからかわれる場面
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日本語:と、こんな弱々しいヤツが魔王軍という事もあるまい。
英語版:Show us your stamp collection, son!(切手のコレクションでも見せるかい、坊主!)

台詞の最後に上記の一文が足され、主人公をコケにするニュアンスが強化されました。切手って、中世時代からあったのかな?


▼その8 哲学的な台詞
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日本語:あなたの目に見えてる世界とアタシの目に見えてる世界とはまったくちがうものなのかもね。
英語版:Or a bowling ball dreaming I'm a plate of sashimi?(それとも私は、刺身を盛った皿だと思い込むボウリングの球なのかしら?)

英語の方は、思慮深いながらも例えが俗っぽくて少々笑える台詞になっています。なぜ刺身とボウリング球?と疑問に思いましたが、硬さや目的など、さまざまな面で対照的なものを選んだのでしょうね。


▼その9 強敵に怯える者が残した書置き
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日本語:こんなことだったら、ギロチンの刑になっていてくれればよかったのに。
英語版:I'd rather have my gums scraped than have to fight these fiends.(あんな悪魔どもと戦うくらいなら、歯グキを擦りむく方がマシだ)

何のこっちゃ?と誰しもが思うこの台詞ですが、実は、同じく Ted Woolsey 氏が翻訳を手掛けた『聖剣伝説2』の英訳のオマージュでした。遊び心が垣間見える、管理人好みの訳です♪

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兵士長:背中マッサージしろよ!
プリム:そんなことするくらいなら、歯グキを擦りむく方がマシよ!



いかがだったでしょうか?

斬新な意訳ばかり取り上げてしまいましたが、全体の割合で言うと、意訳されている箇所はそう多くはありません。大部分を占める、原文から離れていない訳文に関しても匠の技が光っており、今日の翻訳業界の水準から見ても模範例として使えそうな訳ばかりです。基礎(直訳)がしっかりして初めて応用(意訳)が可能になる、というのは翻訳でも同様です(たぶん)。

『クロノ・トリガー』の対訳ファイルは、海外のファンサイトにてダウンロード可能ですので、お好みの良訳を見かけましたらぜひ教えてください。

ではでは。


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コメント

No title
加害者側が言うのと被害者側が言うのとでは意味合いも異なってくると思いますが……
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