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ゲーム翻訳 23 ~修正時エンバグに注意~

no-bugs.png


こんにちは。管理人です。

海外ゲームを日本語にローカライズする場合、当然ながらゲーム内のテキストを和訳して差し替える必要があります。その際、日本語テキストを一度実装して翻訳完了!というわけにはなかなかいかず、テキスト実装後も膨大な量の修正作業を要するのが実状です。テキストを実際のゲーム内で確認して初めて発覚する問題点が多数存在するからです。

翻訳の修正作業は、翻訳会社に追加コストを支払いアフターサービス的に行ってもらう場合もあります。また、販売会社のローカライズ部門のみで吸収する場合もあります。そのあたりはタイトル・バイ・タイトルであり、主に開発予算、スケジュールとの相談になってきます。

そしてこの修正フェーズでは、翻訳に手直しを入れる際に「エンバグ」の危険性を念頭に置くことが重要です。「エンバグ」(enbug)というのは、平たく説明すると、あるバグを修正することにより別の場所で新規バグを引き起こすこと、を指します。ローカライズのみならずソフトウェア開発全般で用いられる用語です。例えば、マリオがクリボーに接触しやすくするため土管の配置を調整したら、今度はジャンプで土管を飛び越えられなくなってしまった(進行不能になってしまった)、みたいなものといえば想像しやすいでしょうか。

では実際、翻訳修正の際にどのようなエンバグのリスクが生じるのか。メジャーなものを3つピックアップしたいと思います。






■用語の不統一
ある文字列を修正することで、他の類似文字列との統一性が失われてしまう不具合です。管理人の経験上、最も頻繁に起こるエンバグでもあります。例えば次のように、アイテム名の「Bow」を最初「弓」と訳していたとしましょう。


Hunter's Bow: 狩人の弓
Cheiron's Bow: ケイロンの弓
Angel's Bow: 天使の弓
Archangel's Bow: 大天使の弓
Seraph's bow: セラフィムの弓
Odin's Bow: オーディンの弓




テキスト実装後にゲーム内で「狩人の弓」を入手した翻訳者が、実際は弓だけでなく弓と矢のセットになっていることに気づき、「狩人の弓」を「狩人の弓矢」に変更するとします。その際、他の5つの Bow も「弓矢」に修正しなければ用語の統一性が失われてしまいます。


狩人の弓矢 ←ひとつだけ「弓矢」と訳されている
ケイロンの
天使の
大天使の
セラフィムの
オーディンの




これは往々にしてテキストの美しさの問題だけであり、大きなトラブルに発展する可能性は極めて低いです。が、例えばこれらがソーシャルゲームの課金アイテム(ユーザーが現実のお金を支払って得るアイテム)であった場合、クレームを招く恐れも十分にあります。このような事態に陥らぬよう、ある文字列を修正する際、別の文字列で同一の単語(この場合は Bow)が使われていないかを常に確認することが肝要です。





■表示領域を超過してしまう
訳文を修正したことで文字数が増加し、文字数や行数の制限を超えてしまうエンバグです。


●文字数制限を超過するケース
dotlimit.jpg


●行数制限を超過するケース
linelimit.jpg


テキストのはみ出しや見切れはユーザーが一目で視認することができ大変恥ずかしいバグであるため、訳文修正時には文字数制限/行数制限を超過しないよう注意しなければなりません。





■共有テキスト関連の不具合
共有テキストとは、ゲーム内の複数の箇所で使い回されるテキスト、を指します。管理人が便宜上そう呼んでいるだけであり、正式な呼称は不明です。例えば次の2箇所の「ぼうぎょ」が共有テキストであると仮定します。

20111209021347.jpg hqdefault.jpg

ステータス画面だけを見ると、「ぼうぎょ」を「ぼうぎょりょく」に変更したくなるかもしれません。しかしこれが共有テキストである場合、戦闘画面の「ぼうぎょ」も併せて「ぼうぎょりょく」に変更されてしまうため、極めて不自然なコマンド名が出来上がります。それならば、いずれも「ぼうぎょ」のままでいく方が無難です。もちろん、文字列のアサインIDを分けることで双方に異なる訳文を割り当てることも可能ですが、開発側で追加作業が発生するため、そのような依頼はどうしてもという場合に限定するのが良いでしょう(ハードメーカーの作成基準に準拠するため、など)。

共有テキストに加筆修正を加える場合、そのテキストが使用されるすべての箇所において自然な日本語になっているか、文字数制限を超過していないか、を確認する必要があります。




■まとめ
これらのエンバグはいずれも、局所的な視点、場当たり的な視点でテキストを修正するために発生する問題です。テキストのみならずゲームデータ全般にいえることですが、何かデータを変更する際は、その他の場所に影響を及ぼさないか否かを常に確認することが不可欠です。

テキストに限っていえば、文字列の「検索」が役立ちます。ある文字列に改変を加える時、他に似たような文字列がないかどうか、や、同じ名詞が使われている文字列がないかどうか、をファイル内検索で逐一確認することでエンバグを未然に防げる可能性が上昇します。もちろん、予期せぬ場所で文字列が共有されていたりなど、ほぼ不可避のエンバグも存在します。ただ管理人の経験則では、きちんと検索を行うことでこうした問題の6~7割方は防止できるでしょう。

ではでは。
 
 
 
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コメント

確かにありますね。
確かにこういう不統一性はありますね。

国産のブラウザゲームで装備品や罠には「麻痺」という言葉を使っているのに
モンスターの追加攻撃では「眠り」になってたりというものありました。
(麻痺耐性持ちの防具で眠りは防げました)

ユーザーからその会社にデバッグ報告をしたこともありますけど、
国内のゲームだったからできたことかもしれませんね…。
アメリカのゲームじゃ無理だったかも。

表示領域は本当に日本語ならではというか、恥ずかしいことになりますよね。

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